少し悩みましたが、闇ばかりの私の人生に少しでも光を差したい。
そう思いました。
翌日高木に
「女優になりたい」
旨を告げると、教育費・宣伝広告費・契約維持費等の経費がかかるから、その分は毎月所属タレントが支払わなければいけないと告げられました。
私は芸能界のことは何も知らなかったですし、高木から大手芸能プロダクションの名前入りの名刺をもらっていたので、そういうものだくらいにしか思っていませんでした。
その後、都内の写真スタジオで宣材写真の撮影は行われました。
それからはまだ会ったことがないマネージャーという人物からメールで連絡が来るようになり、郵送で女優になるための心得のような本が送られてきました。
マネージャーからの指示は、「その本をひたすら読むように」と。
読み終わることを伝えると、次の本が送られてきました。
かなりの数の本を読みました。
ある日マネージャーから
「今まで読んだ本の内容をまとめてレポートで提出するように」
と言われました。
頑張ってレポートを提出すると、
「一体何を学んだんだ。」
「もう一度最初から本を全部読み直せ。」
同じ本を何回も読みました。
何度もレポートを提出しました。
そうして高木と出会ってから、2年が過ぎました。
結局2年間で高木に支払った金額は1000万円を超えました。
するととある日を境に、高木と一切の連絡が取れなくなりました。